日本視能訓練士協会誌
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一般講演
IOLMaster®700とVersion7(モデル500)における生体計測値および術後屈折誤差の比較検討
梅岡 亮介小川 智一郎谷澤 芙実奥出 祥代髙木 真由岡本 俊紀堀口 浩史常岡 寛
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2016 年 45 巻 p. 121-128

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抄録

【目的】光学式眼軸長測定装置IOLMaster®(Carl Zeiss Meditec)の新機種であるフーリエドメイン方式IOLMaster®700(以下IM700)と従来のタイムドメイン方式IOLMaster®(モデル500)(以下IM500)の2機種間での眼軸長測定率、生体計測値、測定精度および術後屈折誤差について検討した。

【対象と方法】2015年3月~4月にIM700とIM500の両機種にて同日に検査を施行した116例214眼の眼軸長測定率、眼軸長、角膜曲率半径、前房深度の生体計測値について比較検討した。さらに水晶体再建術を施行した70眼の術後1ヵ月における他覚的屈折値に基づいた術後屈折誤差について検討した。

【結果】眼軸長測定率はIM700: 99.5%、IM500: 96.3%でIM700の測定率が有意に高かった(p < 0.05)。眼軸長、角膜曲率半径、前房深度各値において高い相関が得られた(ICC = 0.999、ICC = 0.991、ICC = 0.966)。術後屈折誤差はSRK/T式、Haigis式ともに有意差を認めなかった。

【結論】フーリエドメイン方式に測定原理の改良が行われたIM700は、IM500と比較して眼軸長測定率が向上した。

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© 2016 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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