【目的】円偏光を用いて、片眼弱視患者の片眼視力と両眼開放視力について比較し検討した。
【方法】初診時に屈折異常弱視および不同視弱視と診断され、屈折矯正眼鏡治療により弱視眼の片眼視力が小数視力1.0以上となっている患者12名と、対照群として弱視のない健常者6名を被検者とした。完全屈折矯正値装用下、トプコン社製コンプビジョンCV-5000と接続したパネルチャートPC-50SBにて、円偏光フィルタ装用下での片眼視力と両眼開放視力を測定し比較した。
【結果】片眼弱視患者の弱視眼12眼中7眼、健眼12眼中2眼、健常者眼の12眼中4眼において円偏光下片眼視力が、通常の片眼視力より低下した。しかし、円偏光下両眼開放視力が円偏光下片眼視力より低下したのは、片眼弱視患者の弱視眼12眼中8眼、健眼12眼中2眼であったが、健常者眼では0眼であった。
【考按】円偏光フィルタ装用下では輝度の低下があるため、片眼弱視患者・健常者ともに視力低下がみられた。しかし、健常者では円偏光下での片眼視力と両眼開放視力には差がなく、片眼弱視患者では、有意な差(p<0.05)がみられたことにより、弱視眼の治癒の判定には両眼開放片眼視力の測定が重要であることが改めて認識された。