2016 年 45 巻 p. 179-183
【目的】糖尿病網膜症患者における超広角走査レーザー検眼鏡(UWF)を用いたフルオレセイン蛍光眼底造影撮影(FA)の際に、我々が新たに作成した外部固視標を用い、その有用性を検討した。
【対象及び方法】我々が作成した外部固視標を用いて周辺部までUWF FA撮影を行った糖尿病網膜症18人36眼における撮影面積と4方向視に要した時間を、口頭で誘導し撮影を行った18人36眼の対照群と比較検討した。外部固視標は、LED光と蓄光テープで作成し、患者の視角40度に設置した。
【結果】我々が独自作成した外部固視標を用いて撮影した面積は、平均2661692±453261ピクセルで、対照群の平均2102607±474800ピクセルよりも有意に広かった(p<0.05)。外部固視標を用いた撮影時間は、平均50±8秒で、対象群の平均79±36秒よりも有意に短かった(p<0.05)。
【結論】我々が独自に作成した外部固視標を用いたUWF FAは、短時間で網膜をより広範囲に撮影可能で、有用と思われた。