日本視能訓練士協会誌
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一般講演
カラーコンタクトレンズ装用上における点眼薬使用の影響
高橋 香莉松澤 亜紀子山中 郁未鍬塚 友子高木 均
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2016 年 45 巻 p. 185-192

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抄録

【目的】カラーコンタクトレンズ(カラーCL)装用中に人工涙液点眼を頻回に点眼することによる、レンズ形状および角膜への影響について検討した。

【対象及び方法】対象は眼疾患を有さない女性6名12眼。平均年齢は35.2±10.6歳。使用したソフトコンタクトレンズ(以下SCL)はデイリーズ®フレッシュルック®イルミネート™(Alcon社製)、使用度数は±0~-8.00D(平均-3.25±3.0D)。点眼薬はソフトサンティア®および生理食塩点眼を使用した。方法は、カラーCL装用前と装脱後に前眼部光干渉断層計(AS-OCT;以下CASIA)にて角膜厚、角膜曲率半径を測定。レンズを装用し、5分毎に10回点眼を行った。点眼1回後と10回後にCASIAにてレンズ着色外径を測定した。

【結果】レンズ着色外径は、生理食塩水点眼群には変化はみられなかったが、ソフトサンティア®点眼群では、装用直後に比べ装脱直前には着色外径が有意に小さくなっていた。角膜厚と角膜曲率半径はすべての点眼液において、装用前に比べて装脱後の角膜厚が増大し曲率半径が大きくなる傾向がみられたが、有意差は認められなかった。その変化率はソフトサンティア®点眼群が最大であった。

【結論】PVA素材のカラーCL装用下でのソフトサンティア®頻回点眼は、レンズ形状に変化が認められるだけでなく角膜への影響も認められた。そのため、SCL装用中に点眼薬を使用する際には、使用レンズと点眼薬の組み合わせや点眼回数に注意が必要である。

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© 2016 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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