日本視能訓練士協会誌
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一般講演
香川県内で統一した特別支援学校における視力検査マニュアル作成による視力評価法の変化
林 京子星川 じゅん
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2018 年 47 巻 p. 131-140

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抄録

【目的】2014年香川県内特別支援学校の視力検査の現状を調査しランドルト環での視力検査が可能な児童生徒は57%であった1)。視能訓練士が外部専門家として協力し香川県特別支援学校養護教諭研究会が視覚、聴覚、肢体不自由、病弱、知的障害児の視機能評価向上のためのマニュアルを作成した。導入前に養護教諭への実技指導を実施し縞視力検査視反応評価の実施方法のDVDを作成し理解に努めた。本研究の目的はマニュアル使用前後の視力評価法の変化と効果を検討することである。

【方法】2017年香川県特別支援学校児童生徒9校1105人の視力検査法を調査しFisher's Exact Testで作成前の2014年と比較した。

【結果】作成後マニュアルは全校に使用されランドルト環、絵、縞視力による視力の定量検査は979人(85.8%)から1001人(90.6%)(p=0.001)に可能となった。縞視力表は作成前2校から7校へ拡大、42名(3.7%)から76名(6.8%)(p=0.001)と有意に増加した。視反応評価表による定性検査は96人(8.6%)に使用、測定困難な児童生徒が149人(13.1%)から8人(0.7%)(p<0.001)と有意に減少した。

【結論】マニュアルの導入により定性的評価と発達年齢に合わせた定量的検査の結果、県内全特別支援学校児童生徒の99.3%に視機能評価が可能となりマニュアルの効果が確認された。

表1 視力評価法の群間比較検定 Fullsize Image
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© 2018 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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