日本視能訓練士協会誌
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一般講演
三焦点眼内レンズFineVision®術後視機能と患者アンケートの検討
鈴木 智翔岡田 あかね早見 未央杉野 友哉宇野 裕奈子山村 彩鈴木 紗代三田村 麻里小島 隆司
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2018 年 47 巻 p. 201-209

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抄録

【目的】PhysIOL社(ベルギー)の三焦点眼内レンズ(FineVision®)挿入者における術後視力と術後満足度について比較検討した。

【対象と方法】岐阜赤十字病院にて(2016年2月~2017年6月)三焦点眼内レンズを挿入した12名20眼(平均年齢50.5歳)を対象とした。使用したレンズはFineVision®13眼、FineVision Toric®7眼であった。術前と術後3ヶ月の裸眼視力(遠方5m、中間70cm、近方40cm)、矯正視力(遠方5m、中間70cm、近方40cm)を測定した。また術後1ヶ月でアンケート調査を行い、5段階評価(1:不快ではない~5:非常に不快)で回答を得た。

【結果】術後3ヶ月の遠方・中間・近方の裸眼logMAR(小数視力)はそれぞれ-0.07±0.08(1.17)、0.04±0.09(0.91)、-0.01±0.07(1.02)であった。術後遠方の見え方の平均満足度は87点であり、近方の見え方の平均満足度は77点であった。また術後夜間視に関する質問では、92%の人が以前にはなかった光が見えるようになったと回答した。これらの光の見え方の不快度が4点以上と回答したのは45%で、総合平均満足度は77点であった。

【結論】FineVision®は遠方・中間・近方での術後視力は良好であるが、術後の夜間視の訴えが多い為術前に十分な説明が必要である。

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© 2018 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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