日本視能訓練士協会誌
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一般講演
当院における光学式眼軸長測定装置OA-1000とOA-2000の臨床的比較
鬼柳 裕介佐々木 功鈴木 智哉金井 敬蝋山 敏之折登 健町谷 理恵加藤 泰子江口 秀一郎
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2019 年 48 巻 p. 97-102

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抄録

【目的】同一被験眼でタイムドメイン方式の光学式眼軸長測定装置OA-1000とフーリエドメイン方式の光学式眼軸長測定装置OA-2000の測定結果の比較。

【対象と方法】2017年4月~8月に白内障術前検査を行った連続127例251眼の眼軸長測定成功率、眼軸長、前房深度を比較検討した。またOA-1000に適用していたAlcon®製眼内レンズSN60WFのA定数でSRK/T式による術後屈折予測値を、SN60WFを挿入した73眼で術後3か月の他覚屈折値と比較し、術後屈折予測精度の検討、A定数最適化を行った。

【結果】眼軸長測定成功率はOA-1000が93.2%、OA-2000が100%(p<0.05)。眼軸長の平均値はOA-1000が 23.77±1.66 mm、OA-2000が23.84±1.67 mm(p<0.05)。前房深度の平均値はOA-1000が3.77±0.54 mm、OA-2000が3.20±0.43 mm(p?0.05)。術後屈折誤差の平均値はOA-1000が0.10±0.56 D 、OA-2000が0.29±0.47 D(p<0.05)。SN60WFのOA-2000用最適化A定数は118.88であった。

【結論】眼軸長測定成功率はフーリエドメイン方式の機器が有意に高かった。術後屈折予想精度向上には眼軸長測定器の機種ごとのA定数最適化が肝要である。

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