2019 年 48 巻 p. 125-129
【目的】今回、我々は静的視野検査の測定時間に関連する因子を調査した。
【対象及び方法】対象は平成30年1月から7月までの間に木村眼科内科病院にて視野検査を施行した原発開放隅角緑内障104眼104例である。視野検査はHumphrey®視野計740i(ZEISS)24-2 SITA-standard programを用いた。統計解析は単回帰分析と重回帰分析を用い、目的変数を視野検査の測定時間、説明変数を年齢、MD値、固視不良、偽陰性、偽陽性、患者の検査経験、検者の熟練度とした。
【結果】測定時間の影響因子としてMD値(p<.0001)、偽陰性(p=0.005)、偽陽性(p=0.002)が検出され、年齢、固視不良、患者の検査経験、検者の熟練度との関連は示さなかった。
【結論】静的視野検査においてはMD値、偽陰性、偽陽性が測定時間を延長させる因子となった。これらの因子を念頭に入れて検査に臨む必要があると思われた。