日本視能訓練士協会誌
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一般講演
シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズが角膜内皮細胞の形態に及ぼす影響
中込 亮太松岡 久美子臼井 千惠加藤 可奈子林 孝雄
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2020 年 49 巻 p. 91-96

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抄録

【目的】シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(シリコーンCL)が角膜内皮細胞の形態に及ぼす影響を検討した。

【対象と方法】対象は、屈折異常以外の眼疾患がない若年健常者136名136眼とした。従来のソフトコンタクトレンズ(ハイドロゲルCL)のみを使用していた46名46眼をハイドロゲルCL群, シリコーンCLのみを使用していた29名29眼をシリコーンCL群、コンタクトレンズの使用経験がない61名61眼をコントロール群とした。角膜内皮細胞はスペキュラーマイクロスコープSP3000P(TOPCON)を用いて撮影し、角膜内皮細胞密度(CD)、変動係数(CV値)、平均細胞面積(AVG)、六角形細胞出現率(6A)、角膜厚を比較した。測定に先立ち、ソフトコンタクトレンズ(SCL)の装用年数、1週間及び1日の装用時間、SCLの屈折度数についてアンケート調査を行った。統計はMann-Whitney U 検定及びSteel-Dwass 法を用いた。

【結果】SCLの装用年数、1週間及び1日の装用時間、SCLの屈折度数に有意差はなかった 。角膜内皮細胞ではCD、AVG、角膜厚において各群間に有意差はなかったが、CV値、6AはハイドロゲルCL群で有意に悪化した(P <0.05)。

【結論】シリコーンCLは従来のハイドロゲルCLよりも角膜内皮細胞の形態変化が少ないことが示唆された。

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© 2020 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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