日本視能訓練士協会誌
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一般講演
WAVESによる学習障害児等の視覚関連スキルの評価
池田 結佳松岡 久美子須田 美香太根 ゆさ平松 純子山内 まどか薄井 聡子森本 尚子藤井 靖史
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2022 年 52 巻 p. 135-145

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抄録

【目的】読み書きに困難を抱える児童を対象に、視覚関連基礎スキルアセスメント(WAVES)を用いて視覚認知機能を評価し、支援への活用を検討すること。

【対象および方法】対象は2020年3月から2021年6月の帝京大学病院小児科LD外来受診者のうち、WAVESと見る力に関するチェックリストを実施した30名(男児25名・女児5名、年齢9.8±2.1歳)。WAVESを行い下位検査評価点と4つの指数を算出した。

【結果】下位検査評価点の平均値の多くが標準値より低かったが、線なぞりの合格点と比率、形なぞりの比率は標準値より高かった。4つの指数では、視知覚+目と手の協応指数(VPECI)と視知覚指数(VPI)が標準値より低く、VPIが最も低かった。目と手の協応全般指数(ECGI)と目と手の協応正確性指数(ECAI)は標準値より高かった。

【考按】視知覚指数(VPI)は読み書き困難を持つ児童では低く、過去の報告と同様の傾向を示した。眼科検査、言語検査、心理検査と合わせてWAVESを活用することで苦手の背景にある児童の特性を推測し、読み書き指導に有用な情報を与える可能性がある。

図2 WAVES 結果 Fullsize Image
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© 2022 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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