1989 年 17 巻 p. 80-85
小児眼科におけるコンタクトレンズ(以下CL)は,屈折矯正の手段として発達過程の小児の視機能管理に重要な役割を果たしているが,整容的使用(Cosmetic Use)が心理的側面から必要となる場合もある.これらの観点から我々は日常の臨床において積極的にCLの処方を行っている.そこで,現在経過観察中の症例の管理上の問題点について検討した.対象はS59.4からS63.3までの4年間にCL処方を行った157例で年齢は2ヵ月から18歳であった.装用成功率は89%と高く,良い結果を得たのは一症例をチームアプローチで管理しているためと思われた.一般に小児のCL装用は困難と考えられがちであるが,両親や患者に対するきめ細やかな指導を行えば,低年齢でも装用可能であり,その場合視能訓練士の果たす役割は大きいと思われた.