視力検査時の視標の提示時間については被検者の反応に応じて延長され、その延長時間の長短は検者の裁量に委ねられているのが実情である。
今回我々は、測定時間の差により視力検査の結果がどのように変化するか疾患別に比較検討を行った。その結果、3秒以内で測定した視力と3秒よりも長く時間をかけた視力のLog MARでの差は、正常眼、眼内レンズ挿入眼では差がなかったが、白内障(0.02±0.05)、角膜疾患(0.03±0.08)、糖尿病網膜症(0.08±0.09)、加齢黄斑変性(0.16±0.07)では3秒よりも長く時間をかけた視力が有意に良好であった。
よって、視力測定時における視標提示時間は一定とする必要があると思われた。