日本視能訓練士協会誌
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眼軸長測定におけるIOL Master™と超音波A-mode法の比較
石黒 進酒井 幸弘宇陀 恵子山田 裕子内藤 尚久市川 一夫玉置 明野
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2003 年 32 巻 p. 151-155

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抄録

近年開発されたレーザー干渉法を利用して非接触で眼軸長を測定する装置Carl Zeiss社製IOL Master™(以下IOL Master)を用いて白内障眼の眼軸長を測定し、従来の超音波A-mode法(TOMEY AL-2000®)と比較した。挿入眼内レンズはCanon AQ-110NV®およびAQ-310NV®で、眼内レンズ度数の算出にはSRK II式とSRK/T式を用い、角膜曲率半径はIOL Masterには同装置の測定値を、A-mode法にはNIDEK社製ARK700A®の値を使用した。IOL MasterとA-mode法との眼軸長測定値の平均の差は0.28±0.10mmで、IOL Masterの方が長く測定される傾向があり、IOL Masterで測定不能な症例は206眼中24眼、約11.7%あった。角膜曲率半径の測定値の平均の差は-0.03±0.05mmで、IOL Masterの方が小さく測定される傾向があった。そのためIOL Masterで測定された眼軸長および角膜曲率半径を用いてSRK II式とSRK/T式とで眼内レンズ度数を決定すると、メーカー推奨のA定数では手術後に目標屈折値よりも遠視化する傾向があるため、IOL Masterに最適化したA定数を設定しなおす必要がある。

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