抄録
有害物質取り扱い作業事業場を対象に1990~2000年の11箇年にわたって実施されたアンケート調査を解析し,有害物質(粉じん,鉛,有機溶剤)の取り扱い作業場における作業環境管理状況並びに健康管理状況についての把握を試みた.業種によっては必ずしも作業環境管理状況と健康管理状況の間に関連性がないケースが見受けられた.また,有害物質の種類(特殊健康診断の種類)によって健康管理状況に影響を及ぼす要因に差があることがわかった.作業環境管理状況と健康管理状況の双方の結果を用いて総合的に判断すること,ならびに労働衛生管理システムの現状を把握した上で必要があれば改良していく事が業務上疾病を未然に防ぐために必要であろう.