労働安全衛生研究
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原著論文
墜落災害防止対策の動向と今後の課題について
~個人用保護具を用いた対策を中心に~
日野 泰道
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2021 年 14 巻 2 号 p. 85-96

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抄録

我が国における労働災害(死亡災害)の約1/4は墜落災害である.したがって,墜落に起因する死亡災害を減少させることが,労働死亡災害を減少させる上で極めて重要となる.そこで本論では,まず墜落災害防止対策の変遷と墜落災害発生状況との関係について整理した.そこでは日本と比較して20年以上前にフルハーネスの義務化がなされた米国との比較も行った.また日本は2019年2月,原則としてフルハーネスの使用を義務化する規則改正を行った.この点,既にフルハーネスの導入実績を有する欧州では,個人用保護具を用いた工法についての基本的な考え方がEU指令に整理されている.そこで,フルハーネスという一つの個人用保護具の使用方法についての基本的な考え方を紹介するとともに,今後日本において解決する必要があると思われる課題について,理論的及び実験的な手法によって検討を行った.

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© 2021 独立行政法人 労働安全衛生総合研究所
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