2023 年 16 巻 2 号 p. 209-213
労働現場における産業化学物質の中には,ばく露により労働者の健康に障害を生ずるおそれのあるものがあるため,その予防措置に向けて毒性機序の把握が必要である.血液毒性を誘発する物質は化学物質,薬物等で知られており,毒性実験を行う際に一般的に行われる血液学的検査と併せて骨髄由来細胞の性状を調べることは,より詳細な血液毒性の情報を取得し,リスク評価に有用なものになると考えられる.本稿ではラット大腿骨から簡便で効率的な骨髄由来細胞の採取を行う手法を検討したので報告する.