抄録
最近,微粒子のコーティングおよび造粒技術は医薬品業界を始め,食品,化学関連の業界などへ広がりつつあり,流動層の需要が高まっている.流動層は日本では1950年代に導入され,かなり改良されているが,いまでも静電気によるトラブル,凝集,火災・爆発などの問題がある.本稿では静電界センサによる流動層における流動粉体の静電気帯電特性の連続測定評価について検討した.小規模流動層実験装置は流動塔,空気塔,流動エアー調節部などから構成されている.粉体試料はポリプロピレン2kgを用いた.その結果, 流動層における流動粉体の静電気帯電特性を評価する際に静電界センサが有効であることが確認された.しかし, 静電界センサ付近の壁に付着している帯電微粉の影響や下部流動塔の中に堆積している帯電粉体の影響を考慮する必要がある.