平成18年の労働安全衛生法の改正により, リスクアセスメントの努力義務が明示され, 粉体塗装・塗料業界でも災害防止に向けて多くの対策や努力が行われている.塗装や塗料関係でのリスクアセスメントに必要となる基礎情報を提供することを目的として, 第1報に引きつづいて, 本稿ではアルミニウム顔料がメタリック粉体塗料の静電気放電による着火性に及ぼす影響について定量的に調べた.着火性測定には, 国内外で標準的に用いられている吹上げ方式着火試験装置を使用した.試料としては塗装現場では主流となっているドライブレンドタイプメタリック粉体塗料を用いた.結果によると, ドライブレンドメタリック系粉体塗料は数mJの小さい静電気放電エネルギーでも着火する危険性がある事が明らかになった.アルミニウム顔料の混合比が6wt%以下では, ドライブレンドメタリック系粉体塗料の着火性に著しい変化を与えない事もわかった.しかし, 混合比6wt%から8wt%の間に, 着火性が急激に小さくなるしきい値が存在することが確認された.
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