労働安全衛生研究
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労働衛生研究における動物モデルの活用戦略
小林 健一 大谷 勝己富岡 征大
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論文ID: JOSH-2024-0008-SO

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抄録

労働衛生学において産業化学物質ばく露による毒性影響の把握は重要である.災害調査などによる人体への毒性影響の把握に加えて,動物実験により取得したデータは,無毒性量の設定のみならず毒性機序の解明・理解に不可欠なものである.我々の身の回りには産業化学物質,医薬品,農薬,食品添加物,工業薬品等,様々な化学物質が存在するため,既存化学物質の再評価,新規化学物質の評価を含む多数の化学物質を対象とした有害性評価が必要となる.そこで,コスト,時間,労力,動物愛護への配慮,ヒトへの外挿性等を考慮した,高い再構築性と再現性,高感度,ハイスループットなどを備えた精度の高い動物モデルの開発が求められる.本稿では筆者らが主として毒性実験に使用しているげっ歯類(マウス及びラット)および線形動物(線虫)について,労働衛生研究における動物モデルとしての有効な活用法ならびに今後の展望について述べる.

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