労働安全衛生研究
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早期公開論文
早期公開論文の2件中1~2を表示しています
  • 上野 哲, 早野 大輔, 野口 英一, 有賀 徹
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: JOSH-2020-0025-GE
    発行日: 2021/04/14
    [早期公開] 公開日: 2021/04/14
    ジャーナル フリー 早期公開

    仕事場での熱中症の発生件数は気象条件の影響を大きく受ける.近年増加している高年齢労働者の割合も仕事場での熱中症の発生件数に影響を及ぼす可能性がある.仕事場を中心とした熱中症発生状況を詳しく把握するため,軽症まで含む熱中症救急搬送データを分析した.発生場所別男女別に熱中症救急搬送者数を年齢,発生季節(旬),発生時刻,重症度,覚知時WBGTの観点から比較した.全熱中症救急搬送者数の中で仕事場の割合は20~59歳男性で32.3%, 女性で10.8%だった.旬別では,男女とも8月上旬が最も多く次は7月下旬であった.発生時刻別では,男性では12時と15時に2つのピークがあり,昼休みの時間で熱中症救急搬送者が減っていた.曜日別では,男性で平日に仕事場での熱中症が多く,女性では月曜日のみ多かった.土曜日は男性で平日平均の74.1%, 女性で84.2%であった.男女とも仕事場での熱中症は軽症が有意に多かった.覚知時WBGTが高くなると仕事場での熱中症救急搬送者数は指数関数的に増加し,WBGT1℃の上昇につき約1.6倍増加した.暑熱気象条件下では,仕事場での熱中症救急搬送者数は住宅より有意に増加率が高かった.年代別では,20歳代から50歳代まではほとんど変わらなかったが,60歳代からやや増加傾向にあり70歳代以上では急増した.暑熱環境下及び高年齢労働者に対する熱中症対策の重要性が示唆された.

  • 梅崎 重夫, 清水 尚憲, 濱島 京子, 齋藤 剛, 池田 博康, 菅 知絵美, 北條 理恵子
    分野: 原著論文
    論文ID: JOSH-2020-0024-GE
    発行日: 2021/04/09
    [早期公開] 公開日: 2021/04/09
    ジャーナル フリー 早期公開

    機械の労働災害防止対策では,平成13~25年頃に主に機械のユーザーを対象に“機械包括指針”の策定,安衛法の改正によるリスクアセスメントの努力義務化,プレス機械や食品加工用機械の労働安全衛生規則の制改定が進められた.そこで,この時期の前後での労働災害の発生状況の変化を死亡労働災害の詳細分析によって解明を試みた.得られた結果は次のとおりである.1) 平成元~30年の間に,製造業の雇用者数は1,382万人から988万人へと71.5%まで減少し,これに応じて機械に起因する死亡労働災害の発生件数も減少した.2) 一方,平成元~30年の間に機械に起因する死亡労働災害の発生件数は37.2%まで減少した.したがって,上記1)との差である34.3%が技術的安全方策や人的安全管理策などによって死亡労働災害が純粋に減少した分と考えられる.3) 平成26~30年に発生した災害では,技術的安全方策の困難な危険点近接作業の割合が平成元~14年と比較して有意に増加していた.したがって,今後の労働災害防止対策では,機械の設計・製造段階で技術的安全方策の困難な機械や作業(危険点近接作業や広大領域内作業など)を生産技術的観点から根絶して行くことが特に重要と考えられた.4) 危険点近接作業や広大領域内作業を対象に,新たな労働災害防止戦略を提案した.この結果は,現在多発している労働災害の防止に有効なだけでなく,ISO12100を補完できる新たな労働災害防止戦略の提案としても有効と考えられる.

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