労働安全衛生研究
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早期公開論文
早期公開論文の6件中1~6を表示しています
  • 栁田 建三, 久野 昭広, 吉見 朋将
    原稿種別: 研究紹介
    論文ID: JOSH-2026-0001-KE
    発行日: 2026/06/17
    [早期公開] 公開日: 2026/06/17
    ジャーナル フリー 早期公開

    近年,工業塗装分野においてSDGsや脱炭素対応を背景とした環境負荷低減への取り組みが求められている.近接塗装用に開発された回転霧化静電塗装機は,塗料使用量の削減効果により,幅広い工業用途での採用とともに,環境対応への貢献が期待されている.さらに,本稿で紹介する近接塗装用回転霧化静電塗装機の進化形は,塗料飛散を抑えつつ,近接塗装に好適なベルカップを採用する事で,低速回転での微粒化を実現し、良好な塗装仕上がりを確保するとともに,エアキャップを樹脂化し電界を強化することで塗着効率を向上させている.また,塗装距離に応じて高電圧制御方式を切り替えることで,安全性を確保しつつ安定した近接塗装を可能としている.従来方式と近接方式の比較評価を実施した結果,従来方式に比べ塗着効率の向上と優れた塗装仕上り性も確認されている.

  • -プレ・ポスト比較および発話分析に基づく評価-
    林 和典, 島崎 敢, 高橋 明子, 池田 昌弘, 松本 圭朗
    原稿種別: 原著論文
    論文ID: JOSH-2025-0011-GE
    発行日: 2026/06/03
    [早期公開] 公開日: 2026/06/03
    ジャーナル フリー 早期公開

    林業は極めて高い労働災害発生率を持つ危険産業であり,特に若年就労者や未経験者への安全教育方法の確立が急務であるが,教育者の確保が困難な状況である.本研究の目的は,林業安全ゲームにAIをアドバイザーとして導入し,ベテラン不在でもゲームが教育的効果を持ち得るかを実証的に検討することである.林業安全ゲームで用いる質問カードの内容を「自信をもって説明できるか」と,安全行動尺度40項目(職場の安全行動評価尺度)の回答を得,プレ・ポストの比較分析を行った.また,ゲーム中の発話内容およびゲーム終了後の半構造化インタビューの記録を対象に,逐語化データを意味単位ごとに区切り,類似性に基づくクラスタリングにより上位カテゴリを整理した.プレ・ポストテストの結果から,全ての質問カードの項目の回答自信度が有意に上昇し,安全行動尺度の因子についても全ての因子においてスコアが有意に上昇した(それぞれt検定で検証).定性分析では「用語理解の促進」,「誤答の受容と再学習」,「AIの説明のわかりやすさ」,「情報提示形式の影響」,「対話の深まり」の5カテゴリを得た.AIを導入することで知識習得や内省的学習が促進され,安全知識と自信が向上した可能性を示した.一方で誤情報の提示や設計上の留意点も明らかとなり,品質管理と能動的対話設計の重要性が示された.今後は多様な層への展開や長期的効果の検証が課題である.

  • 堀 智仁, 玉手 聡, 白波瀬 雅史, 磯野 和則
    原稿種別: 調査報告
    論文ID: JOSH-2025-0018-CHO
    発行日: 2026/05/21
    [早期公開] 公開日: 2026/05/21
    ジャーナル フリー 早期公開

    建設現場では,地盤の不同沈下に起因する移動式クレーン等の転倒災害が依然として発生しており,地盤支持力を迅速かつ確実に評価する手法の確立が求められている.平板載荷試験(PLT)は地盤支持特性を直接評価できる信頼性の高い試験であるが,試験に長時間を要するため,建設機械の安全性評価において実務で広く用いられているとは言い難い.一方,簡易かつ迅速に地盤支持力を計測可能な現場地耐力試験(BCT)が開発されているものの,これまで社会的普及は十分と言えなかった.本研究では,従来のBCTの基本概念を継承しつつ,ジャッキ制御装置とデータ収録機能を統合し,さらに平板載荷試験の荷重載荷を自動化する機能を付加し,システムの高度化を行った.本試験機の調査性能を現場試験で検証した結果,BCTとPLTによる荷重―沈下関係は良好な一致を示した.また,自動PLTでは,従来法で必要とされていた長時間の油圧ジャッキの手動操作が不要となり,作業負担が大幅に低減し,荷重制御精度も向上した.本稿では,改良した制御システムの内容と付加機能を紹介し,今後の転倒災害防止について考察する.

  • -安全ネットの固定点数に着目した実験的検討-
    和 暢, 日野 泰道, 高橋 弘樹, 金 恵英
    原稿種別: 短報
    論文ID: JOSH-2025-0017-TA
    発行日: 2026/05/12
    [早期公開] 公開日: 2026/05/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    本研究では,現在流通する建設工事用の安全ネットを対象とし,安全ネットの固定点数を変えて落下試験を実施し,新品の安全ネットを用いた場合における墜落の危険を防止するために必要な固定点数について検討を行った.本研究では,一般的な基準とされる8点固定(5m×5mの場合)と,主に大手ゼネコンで採用されている20点固定の2種類の方法によって設置された安全ネットが,人体の体重などを想定した落下物を受け止めた時の破損状況を計測した.その結果,仮設工業会の性能試験時に採用されるネット中央への落下ではなく,ネット端部への落下の場合では,8点固定において,いずれも網目が大きく破損し中破ないし大破した.一方,20点固定の場合,ネット網目が全マス通しの構造である安全ネットの損傷は軽微な損傷にとどまり,墜落の危険を防止する措置となりうる可能性が高いことがわかった.

  • -タンク内油への電荷蓄積に関する既知と未知-
    松原 美之
    原稿種別: 総説
    論文ID: JOSH-2025-0016-SO
    発行日: 2026/04/23
    [早期公開] 公開日: 2026/04/23
    ジャーナル フリー 早期公開

    実大のタンクに石油類を充填する際に,タンク内部に蓄積される静電荷による油面電位上昇が着火原因となる現象に関して,静電気ハンドブック等で既知とされている事項について,改めて考察を加えた.今回再考察の対象としたのは,タンク内への電荷蓄積モデル,油面電位緩和速度の規模依存性,帯電油の導電率である.本稿では,既知とされている各現象について再考察することで,既知の知見で前提として仮定されていたことがらをあきらかにし,その適用限界を示すとともに,今後研究されるべき未知な課題として整理した.

  • -15回の講義受講前後の変化-
    谷口 明子
    原稿種別: 調査報告
    論文ID: JOSH-2025-0013-CHO
    発行日: 2026/03/24
    [早期公開] 公開日: 2026/03/24
    ジャーナル フリー 早期公開

    獣医療における放射線利用は,日常的な検査であるレントゲン撮影をはじめ,今や欠かせないものとなっており,診療補助を担う動物看護師も放射線に関わることは避けられない.動物看護師を目指す学生が,卒業後,放射線に対して不要な不安を持たずに安全に業務にあたるためには,放射線に関する基礎知識を修得することが重要である.そこで,大学在学中の放射線に関する講義を通して,彼らの放射線に関する認識と基礎知識の程度がどのように変化するかを明らかにし,講義改善の資料とするため,受講の前後でアンケート調査を行った.

    首都圏の大学に在学する3年次学生147名を対象とし,回収できたアンケート数は,受講前131件(出席者144名,アンケート回収率91.0%),受講後100件(出席者119名,アンケート回収率84.0%)であった.

    その結果,受講後は放射線に対するイメージ「不安」が有意に低下し (Fisher’s exact test p<0.001),放射線に関わる不安項目の「飛行機に乗る」や「日常生活からの被ばく」の選択率も有意に低下した (Fisher’s exact test, 前者p=0.001, 後者 p<0.001).さらに,放射線の基礎知識に関する得点が有意に増加したことから (Mann–Whitney U= 2553.5 p<0.001),講義により正確な知識を得た結果,不要な不安が軽減したと思われる.一方,業務で放射線に関わることが「気になる」と「やや気になる」との回答は合わせて約7割であり,放射線に対する「危険」というイメージも受講前後で変わらず高かったことから,知識を修得したものの放射線に対して否定的な感情を併せ持つ学生が多いことも明らかになった.

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