2020 年 40 巻 2 号 p. 141-145
わが国では少子高齢化が急速に進み,2016年では65歳以上の高齢者は3,459万人と4人に1人,30年後には3人に1人が高齢者になる.高齢まで“健康寿命”を維持するためには,体力と同時に脳機能を保持することが重要である.高齢者でも運動すると脳内の血流量が増し,その増加の程度に伴って注意機能が改善する.さらに運動トレーニングを続けていると認知機能が改善することが示唆されている.そのメカニズムとして,インスリン様成長因子の増加に伴って,脳内の神経栄養因子やシナプシン1が関与していることが報告されている.高齢になるまで生涯スポーツを推進し,身体活動を維持することは認知予防の一助になりうる.