2020 年 40 巻 3 号 p. 411-414
本研究の目的は,高校バスケットボール選手における膝前十字靱帯(ACL)損傷の受傷時期について調査し,その傾向を検討することである.初回ACL損傷を来した高校バスケットボール選手107人を対象に,受傷した月を調査した.受傷者数は各月で一様ではなく,4月(15人),5月(15人),8月(19人)の受傷が多いことが明らかとなった(P<0.001).また,これらの3つの月では,練習中の受傷が47.5%であったのに対し,その他の月では25.5%であり,受傷者数が多い月では練習中の受傷割合が高かった(P=0.029).本研究結果は高校バスケットボール選手におけるACL損傷には好発時期がある可能性を示唆し,詳細な調査を行なう必要性を示した.