作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
訪問リハビリテーションにおける「作業に根ざした実践2.0(OBP 2.0)」の臨床有用性について
髙野 大貴寺岡 睦
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 38 巻 3 号 p. 358-364

詳細
抄録

作業に根ざした実践(Occupation-Based Practice 2.0:OBP 2.0)は,クライエントの作業機能障害を評価しつつ,それを取り巻く信念対立に対処していく方法論である.本報告では,地域在住で脳卒中後遺症を有するクライエントに対してOBP 2.0を用いた評価と介入を実施し,訪問作業療法(訪問OT)におけるOBP 2.0の臨床有用性を検討した.その結果,作業機能障害の改善と生活機能の向上が見られ,作業療法士,家族とクライエントの間で生じた信念対立の解明が進んだ.OBP 2.0は,作業機能障害の改善に向けて訪問OTの方針の共有と,状況に応じ様々な方法の使用ができると考えられた.また,クライエントや周囲の人々と協業した訪問OTを促進できた.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人日本作業療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top