抄録
本研究の目的は,一人暮らしをしている男性高齢者を対象とした社会参加プログラムを開発するために,人との交流に関する構造を明らかにし,ニーズを解明することである.A地区に在住の65歳以上の一人暮らし男性高齢者10名を対象とし,半構造化面接を行った.逐語録をKJ法にて構造化・図解化・叙述化した.その結果,一人暮らし男性高齢者は,人と【自然な関係の維持】をしたり,【自分のコミュニティ狭小化】を食い止め【つながりの保全】を得ることが課題と思われた.この課題を解決するために,人との交流に関する方略である【支援を受けるハードル】と【暮らし再建の保留】に,潜在的な支援のニーズがあると考えられる.