作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
『音楽を楽しむ』という作業の可能化
─クライエント中心の可能化のカナダモデルを用いて─
衣笠 真理恵古山 千佳子
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2021 年 40 巻 2 号 p. 232-238

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抄録
心不全,脳梗塞後遺症などを呈したA氏に,『音楽を楽しむ』作業の可能化を目指して介入した.可能化の背景にあった基盤やOTが用いた技能を,クライエント中心の可能化のカナダモデル(以下,CMCE)で考察した.A氏にとって『音楽を楽しむ』ことは,時間を超えた人とのつながりを感じ,生活の習慣を作り,痛みを忘れさせ,アイデンティティを保ち,生きている実感を与えていた.可能化の背景には,特に【クライエントの参加】,【可能性の見通し】が影響していた.それらを強化し促進するため,《適応》,《調整》,《コーチ》などの技能を用いたことで可能化に至った.CMCEを意識して関わることで,より作業療法の専門性を活かした介入につながる.
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© 2021 一般社団法人日本作業療法士協会
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