抄録
普通教室に在籍する問題行動を呈する児童に対して,作業療法士(以下,OT)が約1年にわたり10回,保護者・教職員にコンサルテーションを実施した.保護者・教職員の主訴に対し,OTは特性要因図を用い本児の状況を説明し,焦点化すべき目標を協議した.さらにOTは,問題行動を応用行動分析学に基づいて機能分析を行い,具体的な対処方法を助言した.結果,学校生活において,規則違反的行動,注意の問題,思考の問題などの問題行動が減少した.攻撃的行動は,言語による抵抗や拒否は残存していたが,暴力行為は,ほぼ認められなくなった.さらに教室内で過ごせる時間も増加し,課題に取り組む頻度も改善した.