作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
原著論文
慢性期脳卒中上肢麻痺患者に対する反復性経頭蓋磁気刺激と作業療法の効果に関連する要因
─介入1ヵ月後の上肢機能改善に関する検討─
前田 正憲前川 祐介戸谷 祐美片井 聡務台 均
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2021 年 40 巻 4 号 p. 415-423

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抄録

要旨:慢性期脳卒中患者に対する2週間の反復性経頭蓋磁気刺激と作業療法による変化を調査した.その結果,介入後1ヵ月の上肢麻痺と生活の中での麻痺側上肢の使用頻度に有意な変化がみられた.介入前から1ヵ月後の臨床的に意義のある最小の変化量に関連する因子は, Fugl-Meyer assessmentでは介入前の麻痺が中等度,左側麻痺,Motor Activity Log-Quality of Movementでは手指の筋緊張が低いことであった.今回の結果から,作業療法を行っていく上で上肢麻痺が中等度で非利き手麻痺の場合はより麻痺の改善に向けた介入方法の比重を増やすこと,また手指の筋緊張の程度に注意を向け,その軽減に向けた介入方法や退院後の指導を行うことが有効である可能性が示唆された.

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© 2021 一般社団法人日本作業療法士協会
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