作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
脳出血後における上肢麻痺の回復と白質の変化の関連性
─発症からの時期が異なる2症例による検討─
庵本 直矢稲垣 亜紀柏木 晴子竹林 崇花田 恵介
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 41 巻 1 号 p. 78-85

詳細
抄録

今回,脳出血後に上肢麻痺を呈した2症例に対し,脳卒中後の上肢麻痺に対してエビデンスが確立された介入を麻痺手の状態に合わせて行った.また,得られた上肢機能や使用行動の改善と白質のFractional Anisotropy(以下,FA)の変化の関連性を検討した.結果,2症例ともに上肢機能や使用行動の改善が得られ,FAでは鉤状束のみが両者とも向上した.そのため,上肢機能や使用行動の改善に伴って,運動機能に関わる皮質脊髄路の可塑的変化が生じる可能性は低いと思われた.一方で,報酬系に関わる鉤状束の可塑的変化が生じる可能性が示された.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人日本作業療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top