作業療法
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第55回日本作業療法学会基調講演
高次脳機能障害の理解とリハビリテーションアプローチ
平山 和美
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2022 年 41 巻 2 号 p. 145-153

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抄録

高次脳機能障害のうち麻痺や感覚障害によらずに特定の行為ができなくなる症状を取り上げ,解剖学的背景,脳画像での関連脳部位の見つけ方,症状の特徴および特徴に基づいたリハビリテーションアプローチの考え方について解説した.症状を上頭頂小葉+頭頂間溝の損傷によるものと下頭頂小葉の損傷によるものとに分けると,前者に対しては症状が生じない側の手や視野で行うこと,行為をなるべく意識化することや,生じた誤りを意識的に修正することが役立つ場合が多い.後者に対しては,行為の各過程のどの側面が障害されているのかをとらえること,行為の通常の方法にとらわれずまったく新しい方法を見つけることが有効な場合がある.

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© 2022 一般社団法人日本作業療法士協会
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