2022 年 41 巻 4 号 p. 427-435
COVID-19の流行下における行動制限が地域在住高齢者の主観的健康感の悪化に及ぼす影響を検討するため,神奈川県綾瀬市の高齢者を対象に2019年12月と2020年7月に追跡調査を実施した.330名のうち2時点で健康維持(A群)75.2%,健康悪化(B群)7.3%であり,A群・B群を従属変数としたロジスティック回帰分析では,主観的健康感の健康悪化(B群)に「運動器機能の低下(リスクありを維持/ありへ悪化)」,「うつ傾向(リスクありを維持/ありへ悪化)」が影響し,作業療法士が高齢者の主観的健康感の悪化を予防していくうえで,身体の活動性やメンタルヘルスを維持していくことが手掛かりになると考えられた.