作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
原著論文
日本語の筆順における左右手の運筆機能の相違
宮本 礼子藤本 泰成井上 薫伊藤 祐子
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2023 年 42 巻 3 号 p. 289-298

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抄録

本研究は右利き者の筆順に着目した際の左右手の運筆機能の相違を解明することを目的とした.20名の健常右利き男女を対象に,日本語の字体的特徴を含む図形4種に筆順条件を付加した課題を実施した.収集したデータは 図形を要素に分解し,描画時間・筆圧・仰角・方位角・筆跡躍度・筆跡一致率に関する左右手データを比較した.結果,多くの要素で右手での筆圧が高く,仰角と方位角は要素毎に特徴的な左右差を示した.一方筆跡躍度と筆跡一致率に左右の有意差はなかった.今回筆順条件を加えたことで左右手の運筆機能の違いを示すことができた.非利き手では筆順の影響に伴う不自然な運動方向となり,筆圧がかかりにくいことが明らかとなった.

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© 2023 一般社団法人日本作業療法士協会
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