2023 年 42 巻 3 号 p. 398-406
COVID-19感染により重度の呼吸不全に陥り,人工呼吸器離脱後に不安や抑うつ状態を認めたA氏を担当した.作業療法ではA氏にとって価値ある作業に焦点を当て,さらに作業参加に影響する要因をMOHOの視点を参考に分析し介入した.経過中,A氏は再び人工呼吸器管理となったが,床上でのメールや読書など,本人にとって価値ある作業を提供していく中で笑顔が見られ,不安や抑うつの軽減を認めた.重症COVID-19患者に対して,急性期から作業に焦点を当てた介入をすることは作業療法士の重要な役割として示唆された.