2023 年 42 巻 4 号 p. 460-468
本研究では,回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期病棟)入院中の脳卒中後うつ症状(以下,PSD)患者において,意味のある作業の満足度が自己効力感の変化量を媒介し,うつ症状を軽減するかを調査した.72名の対象者の入院時と退院時間における,うつ症状,意味のある作業の満足度,自己効力感のスコアの変化量について媒介分析を行った.その結果,意味のある作業の満足度は,自己効力感を媒介することなく,うつ症状に有意な直接効果を示した(β=-2.5,95%CI[-4.2,-0.86],p=0.004).この結果から,意味のある作業の満足度は,回復期病棟におけるPSDの軽減に寄与する可能性が示唆された.