作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
超高齢者の作業機能障害の改善を目指した作業に根ざした実践の有用性
─認知機能に相違がある2例へCAODを用いて─
酒井 四季子古桧山 建吾長谷部 将大
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 42 巻 5 号 p. 670-677

詳細
抄録

今回,回復期リハビリテーション病棟に入院した超高齢の2事例へ,CAODを用いた作業機能障害の改善を目指した作業に根ざした実践を行った.2事例は整形疾患を受傷し,ADLに介助が必要な状態であった.認知機能が良好なA氏は目標共有がしやすかった.一方,認知機能の低下を認めたB氏はA氏より作業の意味に気づきにくく,作業機能障害の改善にも時間を要した.視覚的な情報を用いて作業の再認識をすることで,A氏と同様に作業機能障害の改善を認めた.CAODを用いた作業機能障害の改善を目指した介入は対象者の作業の問題を捉えやすくし,超高齢事例の作業療法を展開するうえで有用な視点の一つになると考えられる.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人日本作業療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top