2023 年 42 巻 5 号 p. 678-686
本実践の目的は,ポジティブ作業への関与状態を5段階評価できる関与度推定システム(以下,推定システム)を活用したポジティブ作業に根ざした実践(Positive Occupation-Based Practice;以下,POBP)の有用性を検討することであった.方法は,精神障害者2名のクライエントを対象に,推定システムを適用したPOBPを3ヵ月間実施した.介入は,推定システムの結果から推奨されるポジティブ作業を参考にPOBPを展開した.その結果,2事例はポジティブ感情の向上や精神状態の安定に肯定的な影響を示した.これより,本実践は推定システムをPOBPに適用できることを例証できたと考えられる.