2024 年 43 巻 2 号 p. 295-302
左半側視空間無視を認めた回復期の2症例に対し,没入型ヘッドマウントディスプレイ機器を装着したVirtual Reality(以下,VR)でのゲームアプリを用いた受動的刺激による介入が左半側視空間無視(以下,USN)の改善に効果があるか,能動的刺激を用いた介入と比較し検討した.その結果,両症例とも能動的刺激を用いた介入と比較しVRによるゲームアプリを用いた介入後で,机上検査にてUSN症状の改善を認める結果となった.多様な介入が求められるUSNへのアプローチの一種として,VRを用いたトレーニングはその可能性が期待できると考えられた.