作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
巻頭言
臨床家のための作業療法研究
平賀 勇貴
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2024 年 43 巻 3 号 p. 307

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抄録

学術誌『作業療法』より「巻頭言」について依頼があった際に,私が執筆できる内容は……と頭の中の引出しを出し入れしてみた結果,私自身が継続している臨床研究についてだと思い至り,この文章を執筆している.私の実体験として単一事例から研究を開始し,観察研究や介入研究へと発展させながら,その根拠を臨床実践の枠組み(プロトコール等)へ導入してきたことを振り返る.多くの臨床家から寄せられている相談に,「臨床で研究したいけど,どうしたらよいかわからない」とある.それらの背景として,単一事例研究までは開始し,遂行できるが,さらに観察研究や介入研究に発展させることはハードルが高いということがあげられる.このことは,これまで学術誌『作業療法』に掲載された作業療法介入に関する論文の多くが,単一事例研究であったと報告されている1)ことからも判断できる.

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© 2024 一般社団法人日本作業療法士協会
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