2024 年 43 巻 5 号 p. 638-644
訪問リハビリテーション(以下,訪問リハ)を利用している利用者の主介護者である家族の,介護負担感(J-ZBI_8)に関連する要因を疾患別に検証するため,多施設において調査を実施した.利用者とその同居家族に対して質問紙調査を実施し,結果,家族の介護負担感には訪問リハに対する期待の一致率が有意な負の相関を示した.また,その相関の強さは疾患ごとに異なった.本人と家族の間の訪問リハに期待する内容の異同が,家族が感じる介護負担感を推定する際の手がかりになりうることを示唆する.また,その関連性は疾患別に異なり,本人の主疾患によっては家族の介護負担感に対して相応の配慮が必要と考える.