2025 年 44 巻 3 号 p. 302-310
片側前腕欠損児への筋電義手の装着では,乳児の段階で義手を用いた身体図式を促すために,装飾用義手が導入される.今回,生後4ヵ月の左前腕欠損児へ発達に合わせた装飾用義手を作製して装着し,歩行を獲得した生後14ヵ月まで,発育状況に合わせた欠損肢の使用を促した.また,母親からの聞き取りや動画記録,リモートを活用した支援にて,発達に伴う義手の使用状況を確認した.その結果,歩行獲得までに義手を活用した両手動作での認知・運動発達が促され,自発的に義手を使用する場面が観察された.重量のある筋電義手の装着には,基礎的な身体・認知機能への働きかけとして,乳児からの発達段階に応じた義手の導入は有効であった.