2026 年 45 巻 1 号 p. 85-91
家族を亡くした喪失感と生活への不安から抑うつ状態となり,援助希求行動が取れず自殺企図に至ったうつ病患者に関わる機会を得た.うつ病患者に特徴的な思考の歪みに気づくこと,問題が持続した場合に援助希求行動が取れることを目標に,うつ病のためのメタ認知トレーニング(D-MCT)と精神科作業療法(OT)を実施した.9週間の介入の結果,D-MCTを通して思考の歪みに気付き,OTを通して気分の安定,自尊心の向上が見られた.特に思考の歪みの気付きと自尊心の向上は相乗的に影響を与え,援助希求行動に繋がったため報告する.