抄録
近年の大量消費社会の定着により, ゴミ量の増大, ゴミ質の多様化といった様々な問題が引き起こされている. このため, 発生の抑制や再利用の推進等のゴミ減量化対策が大きな課題となっている. また, ゴミ収集作業増大に伴う経費膨張を抑えるための収集作業の効率化も多くの自治体においては重大な課題である. しかし中小の自治体においては, 情報収集の不足, 収集計画業務の人材や時間の不足などにより, こうした収集作業の効率化算定は十分に進んでいないのが現状と言える.
そこで本研究では, これを支援する目的で安価な小型GPS装置を用いて作成した車両移動計測装置により得られた情報から, 詳細な収集作業情報を簡便に取得する方法を考案した. この方法を鳴門市の一般廃棄物収集業務に適用し, その精度を検証するとともに, 得られた情報による収集作業実態の分析例を示した.