抄録
現在、建設工事の工程管理は、計画 (Plan)、実施 (Do)、検討 (Check)、処置 (Action) のPDCAサイクルで行われている。着工後、何らかの不具合が生じると、何らかの対策が講じられ、改めて計画が立案される。それに伴う工期の長期化、建設コストの増加が問題となっており、建設工事の生産性改善が求められている。本論文は、これらの問題解決のひとつとして、最適な工程計画を立案を支援するためのシステムを提案する。このシステムは、着工前にコンピュータ内でPDCAサイクルをシミュレートすることを目的としたもので、VR (仮想現実: Virtual Reality) 技術と工程管理ソフトを統合したものである。これを工程可視化システムと呼ぶ。本システムを導入することで、実施工において理想的には、PDCAサイクルは一度で済むこととなり、経済的かつ効率的な施工が可能となる。