2008 年 17 巻 p. 99-106
本研究では, 自律分散診断アルゴリズムに基づいた高信頼性を有する社会基盤を支える情報システムの開発を目的としている. 具体的には, 免疫型システムを用いて上水道の配水網を対象としたリアルタイム故障診断・制御システムを開発する. 本システムでは, 従来困難であった故障箇所と故障原因の迅速な特定を, システムに設置されているセンサ間相互の信頼度評価により可能にしている. 開発したシステムの有効性を解析的並びに実験的に検証するために, 5つの流量センサと2つの水位センサを有する簡易な配水管網実験装置を製作した. この装置は, プロセス故障 (漏水等) が発生した場合には, 故障の影響を抑えるために, 故障箇所付近のバルブの自動制御を実行する機能も有している.