都市計画論文集
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ドイツにおける自治体レベル住民投票の実態と限界
デュイスブルクとカールスルーエのケーススタディ
阿部 成治寺園 淳
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ジャーナル オープンアクセス

2002 年 37 巻 p. 307-312

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抄録

都市計画に関する住民投票例から、重要な問題を含んでいると考えられる2例をもとに、住民投票の限界と補充的方策について検討した。調査したのは、州権限との関係が問題となったデュイスブルクの例と、以前の住民投票の結果から離れることに配慮して広範な住民参加を行ったカールスルーエの例である。 自治体レベルにおける住民投票の結果と公共性を調和させるのは困難な問題だが、絶対得票率の高さは尺度のひとつとなり得る。また、「はい」と「いいえ」だけの住民投票で市民の考えを把握することには限界があり、意識調査やワークショップと組み合わせることには意味がある。住民投票も多様な参加手法の一類型に過ぎない。適材適所が重要で、他の手法も組み合わせて参加を全体的に活発化することが望まれる。

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© 2002 公益社団法人 日本都市計画学会
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