都市計画論文集
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住民提案型地区まちづくりの公共計画化の計画プロセスに関する研究
世田谷区・鎌倉市を事例として
岡田 雅代原科 幸彦
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ジャーナル オープンアクセス

2002 年 37 巻 p. 433-438

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抄録

近年、地区レベルの計画に関し、住民による提案機会が増加しつつあるが、住民提案をどう位置づけるかが課題となる。そこで、住民提案を条例や法律に基づく計画へ転換させる「公共計画化」に着目し、世田谷区・鎌倉市の運用実態から、今後の住民提案の公共計画化への指針として、望ましい計画プロセスを提示することを目的とした。計画プロセスに関しては、住民提案を条例に基づく計画として一旦受け止めた方が公共計画化に要した年数が長い傾向があり、要した年数と隣接地への普及との関連性を指摘した。規定内容に関しては、世田谷区・鎌倉市ともに「条例に基づく計画」は、暮らしに根差した方針的な規定内容の受け皿となる可能性があることを指摘した。以上から、住民提案の公共計画化は、条例計画化を経た計画プロセスが望ましいことを示した。

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© 2002 公益社団法人 日本都市計画学会
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