金沢市三茶屋街の全居住世帯を対象とする調査票を用いた留置き自記式調査により、居住世帯の町並み、住環境、観光に対する意識の違いを、町並み景観保全施策開始以前・以後来住世帯間で比較し、町並み景観保全施策の社会的影響について考察することが本研究の目的である。明らかになった点は以下のとおりである。1)居住世帯の過半数を戦後来住世帯が占める。2)世帯の主たる就業者の就業地は地区外就業が多い。これは茶屋街にとって新しいライフスタイルである。3)町並み景観保全施策開始後に来住した世帯は、開始前来住世帯よりも町並み景観保全、観光、伝統文化の振興、住環境整備に対して肯定的である。