抄録
本論は、スウェーデンの区域委員会制度について、ストックホルム市の事例を中心として制度創設の経緯や運用実態を分析し、「都市内分権」の一手法としての当該制度の特徴を明らかにするとともに、制度上および運用上の課題や、都市計画における区域委員会の役割を明らかにするものである。 現在、合併が進む日本では都市内分権の議論も盛んに行われており、特に区域委員会制度が創設された当時のスウェーデンの状況と類似していることから、本論での制度創設に至る経緯の詳細な把握、分析は有用な知見となり、合併後の地方自治のあり方に一定の示唆を与えると考える。