都市計画論文集
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緑地と周辺の土地利用が越冬期の鳥類の分布に及ぼす影響について
都市域における生態的ネットワーク構築に向けて
一ノ瀬 友博
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2003 年 38.3 巻 p. 625-630

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抄録
主に列状の緑地と島状の緑地、周辺の土地利用に着目し、我が国の都市域において生態的ネットワークを構築する手法を確立するための基礎的な研究として、鳥類の分布との関係を明らかにすることを試みた。研究対象地は、兵庫県西宮市西部とした。2002年12月から 2003年2月の間に、夙川沿いの列状緑地、甲陽園一帯の島状緑地、北山公園において、ライントランセクト法による鳥類調査を行った。鳥類の確認地点を中心として半径50mのバッファーを発生させ、その種ごとの土地利用比率を分析した。その結果、主に樹林を利用する種にとっては、50%以上が樹林で占められていることが必要であることがわかった。また、いくつかの種によっては、低木層、草本層の存在が重要であることがわかった。最後に、都市域において鳥類を対象とした生態的ネットワークを構築する際の要点をまとめた。
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© 2003 公益社団法人 日本都市計画学会
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