都市計画論文集
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全米大学の地域貢献活動実態と学生に対する参加型建築・まちづくりの専門家教育
大学ベース型のコミュニティ・デザイン・センターの活動実態
近藤 民代
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2004 年 39.3 巻 p. 337-342

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抄録
本研究は、米国の大学および大学に設置されたコミュニティ・デザイン・センター(以下 CDC)が展開している地域貢献活動の実態とそれを支える公的制度の助成実態を明らかにしたものである。アメリカでは大学のさまざまな学科が協働して、地域住民やコミュニティ組織と共に地域経済活性化や公営住宅の建替え事業、職業訓練などの総合的な問題に取り組んでいる。特に建築・都市計画分野に限定すると、建築・都市計画学科や大学ベース型 CDCなどによる地域貢献活動は、「初動期」における建築設計、地域計画の策定、フィージビリティ・スタディなどの支援が中心であることが明らかになった。また、大学による地域貢献活動には多くの大学生が参加し、彼らが地域の住民やコミュニティ組織と対話を通して、そのニーズに応じた建築デザイン、まちづくり計画を策定するといった実践的な教育を実施している。近年、日本においては住民参加や協働の流れの中で、それをファシリテート・コーディネートする専門家へのニーズが拡大するのと平行して、彼らの育成が大きな課題となっており、本研究で明らかにされた参加型の建築・まちづくりの教育はわが国にも大きな示唆を与えるものである。
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© 2004 公益社団法人 日本都市計画学会
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