都市計画論文集
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都市計画区域マスタープランの策定過程における市町村に対する都道府県の役割に関する研究
都道府県アンケートとケーススタディによる分析
花輪 永子野澤 千絵大西 隆
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2004 年 39.3 巻 p. 61-66

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抄録
本研究では,市町村に対する都道府県の役割の観点から,区域 MPの策定過程,及び区域 MPと市町村 MPの内容の関係性を把握することにより,区域 MPの策定過程における都道府県の市町村に対する役割の実態を明らかにする.研究方法は,区域 MPの策定状況や策定段階での都道府県の役割の実態を明らかにするための都道府県へのアンケート調査,素案・案を含む 40都道府県の区域 MPに記載された内容の分析,及び区域 MPと市町村 MPの内容の関係性を解明するための,素案・案を含む各 MPの計画内容の比較,及び県・市町の担当者へのインタビューである.結果,一部の事例では市町村の要望が尊重され,区域 MP策定段階での多様な主体の参加や区域 MPの内容での部門間調整が実現していること,市町村に一定の行政能力があれば,市町村への関与を縮減したいと考える県が多い一方で,現実的には市町村の人材・技術が不足などの理由により県が後ろ盾として積極的に支援している事例があること,及び,単独都市計画区域の区域 MPでは広域的調整は十分になされていないが,任意の広域 MP,広域都市計画区域の区域 MPでは,広域的調整を十分に行っているが,市町村が関心が低いことが明らかになった.
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© 2004 公益社団法人 日本都市計画学会
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